眼科 | |
目に異物が入ったとき | 目の前に黒い物が飛ぶ | 緑内障 |
目の花粉症 |
目に異物が入ったとき | |
異物が目の中に入るのはよくあることで、誰でも経験しているでしょう。 目に異物が入ったときはどうしたらよいのでしょうか。たいていはまばたきしたり、涙が出るのと一緒に出て行きます。 しかし、それでもとれないときは、こすったりしないで、眼科に行ってとってもらうようにしましょう。 眼球内に入った場合は別として、異物がとれないときは、たいてい目にくっついたり、つきささったりしています。 目の表面に異物のつく場所は普通2つあります。ひとつは結膜異物といって、木くずなどが瞼の裏側にくっついているもので、角膜に傷をっけるので非常に痛みます。 もうひとつは角膜異物で、たいていは鉄粉が黒目の前にある透明な角膜についています。そのまま放っておくと感染を起こしたり、ときには失明にいたることもあり ます。視力に直接関係する場所ですから特に自分でとるのは危険です。眼科でとってもらったあとも、その指示に従って言われた日に必ず受診するようにして下さい。 もうひとつ、異物ではありませんが、石灰や汚れた液体などが入ったときは、すぐに水道水で十分に洗ってから眼科へ行くようにしましょう。液体にはアルカリ性の ものと酸性のものがありますが、特にアルカリ性のものはタンパクを溶かして中へしみこんでいきますから、入ったときよりも次の日の方がひどくなるため十分に注意 しなければなりません。 目は非常にデリケートなところです。おかしいなと思ったら、すぐに眼科へ行くようにしましょう。早期受診はどんな病気でも重要ですが、目に異物が入ったときにも 大切なことです。 |
目の前に黒い物が飛ぶ−飛蚊症− | |
虫や水玉や糸くず、ときにはススのような形をした黒いものが、目玉を動かす度にフワーツと空中を舞うように目の前を飛ぶことがあります。 「あれー虫かな?」と手ではらってみたりしますが、これは目の異常が原因なのです。蚊が飛ぶように見えるので「飛蚊症」と呼ばれています。 目に入ってくる光は、はじめに、目の一番前にある透明な角膜を通り、次にレンズを通過し、その奥につまっている、あたかも生卵の白身のように透 明でドロッとした硝子体を通って、眼球のうしろの壁にある光を感じる網膜にとどくようになっています。 飛蚊症は、この硝子体ににごりができるために起こる病気です。このにごりには3つのタイプがあります。 第1は、眼球ができあがるときに、硝子体ににごりが残ってしまったもので、10才代に気づくことが多いようです。 第2は、硝子体から水がにじみ出てしまい、硝子体を網膜からひきはがしてしまいます。「硝子体剥離」といわれる状態です。40才代から起こり、60 才代が一番多いのです。近視が強いと10年くらい早く起こります。急激に起こると、目の前でフラッシュをたいたような光が見えることもあります。 第3は、「ブドウ膜炎」といわれる目の病気や糖尿病や高血圧で網膜に出血が起こり、それが硝子体におよんで、飛蚊症を起こします。 飛蚊症に気づいたら、すぐ眼科専門医の診断を受けて下さい。治療は必要なく、経過を見ればよい場合が多いのですが、しばしば、すぐに治療を要す るものがあります。特に、硝子体剥離の場合には、網膜に裂け目ができていることがあるのです。初期であれば、光凝固法といわれる、通院でできる簡 単な手術で治すことができます。 飛蚊症は目の病気の注意信号です。人生80年、健やかな目でお過ごし下さい。 |
緑内障 | |
緑内障は、眼が固くなる病気で、これは眼圧が高いと言います。大体両眼に起ります。急に発病するもの、徐々に病状が進行するものと様々です。病 気の進行の遅いものは、慢性にくる単性緑内障と言われるもので、自分で気がつかない問に発病し、何年かたって進行したとき「眼が疲れやすい」「眼 がかすむ」「夜間、光の回りに色のついた輪が見える」などに気がつきます。特に中年過ぎの人に多く、放置すると失明にまで至る恐ろしい眼の成人病です。 また、急に発病するものを「急性うっ血性緑内障」と言います。これは突然眼が痛み頭痛、吐き気が起ります。眼の充血を来たし、視力が低下し、ひ どいときは1〜2日で失明します。頭痛と吐き気があるために、内科の病気と間違えられやすいものです。直ちに眼科医の治療を受けましょう。 緑内障の治療は、診断の結果、高い眼圧を下げるためにいろいろな治療を行います。点眼薬、内服薬、手術療法など、病気の種類と程度によって組み 合わせて行きます。 点眼薬の中には、瞳孔が小さくなって視力が一時的に悪くなったり、眼の痛みを起こしたりするものもあります。 内服薬では、手足や口の回りがシビレたりすることがありますが、一時的なものですから心配はいりません。使用時によく説明を聞きましょう。自分勝手 に投薬を中止したり、薬の量を加減したりしないように医師の指示をよく守って下さい。 手術方法は、高い眼圧を下げるために、房水の新しい出口を作って眼圧を下げる方法があります。最近は、レーザー光線によって行います。 緑内障の予後は、必ずしもよくありません。医師の注意を確実に守っていれば急に悪くなることはありませんが、長い期間根気よく気長な治療を続け ていかなくてはなりません。適切な治療を怠ると、視力が低下して失明につながることもあります。また、視野が段々と狭くなっていきますので注意し て下さい。 |
目の花粉症 | |
毎年2〜3月にかけて、目がかゆいと訴えてくる人が多くなります。 これは「アレルギー性結膜炎」で、春先には、鼻水、くしゃみといったアレルギー性鼻炎の症状が同時にあります。原因は、スギの花粉によっておこることが 多く、「スギ花粉症」と呼んでいます。 スギの他の花粉症の原因としては、5月頃から夏にかけてイネ科の植物であるカモガヤ、秋になるとブタクサやヨモギ、アキノキリン草などがあります。 また、通年性のものとして、家のほこりがあります。「ハウスダスト」といっていますが、正確には人を刺したりしないチリダニの死体やフンが原因です。 犬や猫など、ペットの毛によってもおこります。 アレルギーは、原因となる物質、これを抗原といいますが、この抗原に対して身体の中に抗体という物質ができ、この抗原と抗体とが反応することに よって発病します。 つまり、抗原だけではアレルギーはおこらないわけで、この抗体があるかないかは、皮内反応や血液検査によって調べます。抗体のでき方は、できやすい人と できにくい人がありますが、1度できると普通は毎年発病します。 花粉症をおこさない方法は、花粉に合わないのが一番ですが、なかなかそうもいきません。しかし、避ける努力は必要です。スギ花粉症の時期には花 粉情報が参考になります。 花粉症の自覚的な症状をとるのは比較的容易ですが、副作用のある薬もあり、医師に相談して治療するのがよいでしょう。根本的に治療するには、脱 感作という方法もありますが、治療期間が長く忍耐が必要です。 |