厚労省は、2月1日、毎日新聞の1月31日付1面に「診療報酬増を『偽装』」との記事が掲載された ことなどを受けて見解を発表しました。見解では、「後発品のある先発品の追加引き下げ」で捻出される 600 億円(▲0.16%)が診療報酬改定率の計算に盛り込まれていないことを認めた上で、「後発医薬品の 使用促進、すなわち、『先発品から後発品への置き換え』による財源は・・・一貫して診療報酬改定の財源とは してこなかった」と弁明しています。 これに対し保団連は、2月3日、「診療報酬引き上げ率『偽装』報道への 厚生労働省の見解について 『後発品のある先発品の追加引き下げ』600 億円は診療報酬本体に充当を」 との談話を会長名で発表しました。 談話では、「後発品のある先発品の追加引き下げ」は、特許期限が切れるまでの新薬の 高薬価を維持する「薬価維持特例」の導入試行と引き換えに実施すると言われており、「追加引き下げ」の財政影響は薬価全体の改 定率に含むのが当然としています。 また、過去の「先発品から後発品への置き換え」は、もっぱら社会保障費の2200 億円 削減の財源捻出のために、処方箋様式の変更等による後発医薬品の使用促進による医療費削減という手法で実施されたもので、 今回実施する薬価そのものの引き下げは、それとはまったく手法が異なり、医療機関の経営に大きな影響を及ぼすと 指摘しています。 さらに、「後発医薬品の使用促進」との主張に対しては、後発品のある先発品の薬価を引き下げれば、引き続き先発品を使う可能性 が高く、「後発品の使用促進に結びつくか疑問」だとし、中医協では財源不足を理由に診療所再診料引き下げや外来管理加算の引き 下げ、新たな要件の導入が議論になっているが、600 億円をこれに振り向けるならば、病診再診料の71 点での統一や外来管理加算の 「5分ルール」無条件撤廃の財源は十分確保できると指摘しています。 その上で、社会保障費2200 億円削減の撤回を掲げた鳩山政権が、旧自公政権と同様の手法で医療費抑制を合理化することは全く 納得できないとし、薬価引き下げによるすべての財源は、患者が受ける医療サービス向上のために使用すべきであり、600 億円は診療 報酬本体の引き上げに使うべきだとしています。 |
保団連発:医療運動推進ニュースより |