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患者トラブル対処の”正しい”心構えを学ぶ

医療安全管理講習会に324名が参加

栃木県保険医協会は、9月29日(木)に医療安全管理講習会「患者トラブル・こじらせないための処方箋」を開催。 118医療機関から324名が参加しました。

講師の尾内康彦氏(大阪府保険医協会事務局次長)は、患者トラブルに対応する“正しい考え方、心構え”を持つことが大切であり、ハウツーや スキルを学ぶことだけでは不十分であることを前提に、次のように述べました。

トラブル増加の背景には、小泉構造改革等による自己責任論の蔓延から国民の安定・秩序感覚が薄れて自己主張をすることが身を守るとの意識が 広がったことを挙げました。その上で“内面の崩壊、人格の崩壊”を伴う患者を見る視点の転換が必要だとしました。

また、尾内氏は最近受けた相談の1割強が、何らかの精神疾患に関る患者であると感じているとのことです。医師法19条第1項では「診療に従事 する医師は、診療治療の求めがあった場合には正当な事由がなければ、これを拒んではならない」(応召義務)としています。極めて限定的に解釈さ れている「正当な事由」について、最近、司法専門家の間でモンスターペイシェント等(未収確信犯含む)もケースによっては該当すると解釈できる との声が多くなっているとの報告もありました。

クレーム対応のポイントとして尾内氏は、聞くに値する『主張』はしっかりと聞いて、先ずは「患者・家族の気持ちを思いやる」ことが大切だと 述べました。それからクレーム・苦情を見分けて事実確認、詳細な記録をとるために録音も必要となるので、医療機関としてICレコーダーを常備 すること。明らかに不当な暴力、暴言を受けたら警察に相談、被害届を出し、トラブル経緯の書面と、録音したものを証拠に出すようにする。「少々 の法律知識に『誠実さと度胸』をキーワードに、患者トラブルの芽は常に小さなうちに摘むことを心掛けるよう、尾内氏はアドバイスしました。

なお、当日参加者には「受講証」を配布しました。これは、医療法で義務付けられた年2回程度の医療安全管理講習を受けた証明となるものですの で大切に保管してください。また、当日の講習会の模様をDVDにしましたので希望される先生には貸し出し致します。栃木県保険医協会事務局まで お問い合わせください。



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