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  国税通則法「修正」案の廃案を求める要請

 前略、貴職の国政に果たされます重責に敬意を表するものです。

 私ども栃木県保険医協会は、国民医療の向上と保険医の経営と生活の擁護を 目指して活動する栃木県下の医科・歯科保険医771人で構成する団体です。 これまで納税者として適切な記帳・申告を行う立場より、会員への自主記帳、確定申告等の指導・講習に努めてまいりました。

 先般、政府・民主党は平成23年度税制改正法案の修正法案を決め、 その中で積み残しとなっていた国税通則法「改正」案については一部修正のうえ 10月28日に第3次補正予算案とともに今臨時国会に上程しました(以下、「修正」案)。

 「修正」案は、当初の「改正」案に示された「納税者権利憲章」の策定、 「書面」による事前通知・終了通知(更正決定等の場合も含む)などを見送る一方で、 税務調査において帳簿類等の提示・提出を罰則付きで強要すること、税務調査の遡及期間を5年へ延長、 調査官による修正申告の強要の合法化、調査終了後の再調査権の創設、零細事業者への記帳義務化など、 納税者の義務強化の項目は法制化するとしています。納税者の権利擁護の項目は削除し、 納税者の義務強化の条項だけは法制化する驚くべき内容です。

 これまで、我が国では、納税者の権利保護法がないため、 医療現場への税務調査(一般の任意調査)において、事前通知を軽視した調査による診療への悪影響、 安易な反面調査による医療機関の社会的信用の毀損、帳簿類等の持ち帰り・長期化に伴う経営負担増、 医師の守秘義務・患者のプライバシーを無視したカルテ開示の要求、曖昧な説明による修正申告の無理強いなど、 納税者の権利を軽視・無視した調査が依然として見受けられます。

 こうした行き過ぎた調査をなくし、本来あるべき自主申告制度に基づいた 納税者と税務行政の間の相互信頼に基づく調査を行っていくためにも、 先進国では当たり前といえる納税者の権利を保護する条文や「納税者権利憲章」の制定などが求められています。 しかし、「修正」案は、行き過ぎた調査を追認することで、納税者の権利侵害を更に強め、 国民医療の確保と向上に邁進する医療機関に多大な負担増をもたらすものです。 民主党は「納税者権利憲章」の制定を政権公約にしており、 「憲章」見送りは公約違反でもあり、到底容認しえません。

 以上により、医療現場への税務行政の改善を求めて、下記につきまして貴職のご尽力を賜りますようお願いいたします。




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