全国保険医団体連合会は、7月7、8日の両日、東京の都市センターホテルにおいて夏季セミナーを開催。 全国47協会から医師・歯科医師206名をはじめ、合わせて393名が参加。栃木協会からで満川博美副会長(保団連理事)と 事務局2名が参加しました。 冒頭、竹田正史保団連副会長が、「『一体改革』を許さず、健康で不安なく暮らせる社会を」テーマに基調提案を行いました。 竹田先生(歯科)は、1983年臨調行革で医療費抑制策が実行され、その後現在に至るまで歯科を受診するのは 130万人を頭うちとするように抑え込まれていることをグラフにより示しました。消費税や患者窓口負担の増加、 労働者の非正規雇用化が浸透する中、受診の手控え、治療の中断などがすすみ所得の低いひとほど「健康格差」が 生じているとして、「『一体改革』を許せば不健康で不安な社会が出来上がってしまう」ことを指摘しました。 その上で、保団連は憲法で規定する生存権に反することとなる消費税増税には断固反対することや、消費や受診行動を 顕在化させるためにも、労働者派遣法の廃止で賃金を良くする。そのことなしにデフレ脱却や景気や暮らしの回復は はじまらないと発言して、竹田先生は基調提案を締めくくりました。 経済を動かしているのが大金持ちというのが間違い また、リーマンショック後、欧米各国が資金供給を増やして財政再建をはかってきたことを同様に日本でも行えば簡単にデフレを 脱却することができ、社会保障費を十分に賄う経済成長ができることを指摘。しかし、デフレのまま回復させたくない大金持ちが 自らの利益を優先するために経済をコントロールしている実態が語られました。 森永氏は、新自由主義により「経済を動かしているのが金持ちだということが間違い」として、国民生活の視点をもった政策が 求められると発言しました。 翌日8日、セミナー参加者は、TPPや原発問題、歯科医療の再生などの講座や分科会に分かれて学習しました。 午後からのシンポジウムでは、経済評論家・作家の三橋貴明氏、ジャーナリストの斎藤貴男氏、主婦連合会会長の山根香織氏、 保団連副会長の武村義人氏がパネリストとして意見を述べました。 各氏はそれぞれの立場や視点から、経済や雇用の破壊、格差社会の拡大、孤立死・孤独死など様々な問題が起きている中で、 消費税増税が行われれば、取り返しのつかない事態を招来しかねないという趣旨で消費税増税の問題点を指摘しました。 その中で斎藤貴男氏は、「消費税を増税することは国ぐるみで弱い者いじめをしていること。弱い者に温かい社会をつくるべきだ」と語りました。 フロアからの発言や質疑応答で、消費税そのものの矛盾がより一層、浮き彫りとなりました。 最後にパネリストよりまとめ発言があり、武村氏は、民主的税制の3原則である@生活費非課税、A総合累進性、 B勤労所得には軽度の課税とすることを遵守させる運動を展開することや、保団連は、これからも消費税増税に断固反対することを 明言しました。その上で、医療提供側として診療報酬には『ゼロ税率』を求める理由を国民に丁寧に訴えていく必要があることも重ねて述べられました。 |