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摂食・嚥下障害者への対応学ぶ

コ・メディカルとの交流深める

栃木県保険医協会は、10月28日(日)、とちぎ男女共同参画センター・研修室301において、「摂食・嚥下障害者への対応」をテーマに学習会を開催。 県内の医療機関や施設等から48名が参加しました。講師は、小澤章先生(昭和大学口腔衛生学教室兼任講師など)をお招きしました(写真)。小澤先生が開業する 甲州市は訪問診療や往診などがさかんに行われていることで知られており、小澤先生もその中心となってご尽力されていることが紹介されました。小澤先 生は、要介護高齢者の日常生活において食べる事が大きな楽しみの一つであるとして、「安心に食べることをお手伝いすることが私の使命」と話されました。

スライドで口腔咽頭部の解剖図などを使いながら嚥下のメカニズムについて解説。その中で「かっぱえびせん」を用いて食塊形成の実践を行い、少し姿勢 をかえるだけで飲み込み具合が変わることを参加者とともに確認しました。

誤嚥については、摂食時の食環境に配慮すべき点として、@食事に集中しやすい環境A姿勢(体幹の角度、頸部の角度)B食形態C食介助(一口量や介助 する位置)D自食時の捕食方法(一口量)を挙げて解説。頸部を前屈させることにより咽頭と気管に角度がついて誤嚥しにくくなることや椅子で食べる時は体 幹を安定させ手も前にもっていきリラックスさせる等話されました。

また、摂食機能が衰えた高齢者について、液体はとろみをつけて咽頭への侵入・通過速度を遅くさせる等、誤嚥を防ぐためには調理の工夫が必要として各種 の食製品を参考として紹介されました。


小澤先生は、「誤嚥は朝の一口目が多い」として、在宅や施設で口腔ケアを行っている歯科衛生士にも首のストレッチを取り入れるなど嚥下体操の重要性を説 きました。また、嚥下リハビリ前には必ずきれいに口腔ケアが必要で、小澤先生の経験として口腔ケアを行うことで対象者の表情が変わった事例が紹介されました

参加者からは、「他の職種と協力して、多くの人達に口腔ケアができるようにしていきたい」「口腔ケアについてその必要性をアピールしていきたい」など意見や 感想をいただきました。

協会として、医師・歯科医師だけでなく歯科衛生士や看護師、施設職員など幅広い職種が参加しての学習会の開催は初めての試みです。今後も地域医療や福祉に 携わるコ・メディカル等との交流を深める学習会を開催していく考えです。



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