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「保険でよい歯科医療」を実現させよう

6.15歯科医療危機打開緊急決起集会に全国から470名が参加

6月15日、梅雨空の中、歯科医療危機打開緊急決起集会」が保団連主催で開催され、全国か ら歯科医師など470名が参加し、歯科診療報酬の緊急再改定、文書提供の算定要件を義務付ける 「通知」の凍結・撤回などを訴えました。会の冒頭で基調報告を行った竹田正史保団連副会長は、 「文書提供で診療に支障をきたしている。医学的にも問題があり実態を無視したもの」と批判。 改定で公称マイナス3・16%を上回る大幅な診療報酬の減額となり、保険外自費診療のウエート を高めるよう仕向けるものだと指摘しました。

今回の集会には、日本歯科医師会の大久保満男会長が、「歯科医療は国民の健康な生活を支える 生活の医療です。日本歯科医師会は、そのさらなる充実に向け、国民皆保険を維持するため、全力を 尽くします。大会のご盛会を祈念いたします」との賛同メッセージを寄せる等、全国20の歯科医師会、 地区歯科医師会からメッセージが寄せられました。


文書を書くのに一日平均94分費やす

また、国会議員が多数来賓され、民主党の櫻井充参院議員、田名部参院議員、川内博史衆院議員、 共産党の小池晃参院議員などが激励、連帯の挨拶を行いました。歯科の緊急アンケートや国会でも 質問取り上げるなどご尽力されている櫻井充氏は、「アンケートの結果、文書を書くのに一日平均94分、 実に診療時間の四分の一を費やしている。これで患者さんに良い医療が提供できるのか」「秋に厚労省 が実態を調査し、簡素化を考えるとしているが簡素化するくらいならやめてしまえばいい」と発言しました。 櫻井氏(歯科医師)と同じく医師でもある小池晃氏は、「必要な医療は保険で適用することを患者さんは求め ている。今回の診療報酬改定では医科分野で50もの技術が導入されたが、歯科においては過去4回の改定でま ともに新技術が適用されていない」「歯科での予防こそが健康づくりになり、保険で歯科医療の充実させるこ とが医療費を節約する道ではないか」としました。 また、与党・自民党から挨拶のため参加された橋本岳衆院議員は「今回の診療報酬引き下げと医療制度改革は 必要な改革。ご指摘の通り問題点はあるが、これがゴールではなく皆さんの意見を聞いてより良い制度として いきたい」と述べました。

厚労省は診療の邪魔をするな!

参加者からの発言では、大阪歯科の矢部あづさ先生は、膨大な文書作成の義務付けなどで、治療や患者への 説明時間が減ったとする歯科医師が五割以上に及ぶとの会員アンケート結果を紹介しました。その他、フロアからは「国が 包括化をおし進める中で内容のわかる明細書の発行は無意味。明細書をみれば内容がわかる診療報酬体系をつ くることが先ではないか」、「電子化加算は医師の基本技術料の加算には馴染まない。領収書発行の義務化と あわせて、保険請求のオンライン化への誘導であり、審査、指導の強化で医療費抑制をねらうものであり廃止 を求め、初・再診料の正当な評価を」、「小児歯科では『か初診』の廃止でシーラントの加算、実地指導の加 算がなくなり、一人につき千円以上の激減となりやっていけない。初・再診料の見直しをお願いしたい」、 「おかしいことはおかしいと言おう。厚労省は診療の邪魔をするなをスローガンに運動していく。保団連は、 歯科医療をめぐる状況を分析し、揺るぎない運動の推進を」など活発な意見が出され熱気あふれる集会となり ました。

最後に、医療改革関連法案の成立に抗議し、歯科診療報酬の緊急再改定を求める決議を採択しました。集会が 終了後、白衣のデモ行進を行いました。参加者はそれぞれの思いを込めてプラカードを持ち、衣装に着替え集結し 行進がスタートするのと同時に降り出した雨にも負けず、『歯科疾患総合指導料を廃止せよ』『文書提供を義務付 ける通知を撤回せよ』『医療改悪反対』等を訴え国会議事堂周辺をデモ行進しました。