栃木県保険医協会は、12月7日、協会事務所において、「医療制度改革の全体像とこれからの地域医療」を テーマに政策学習会を開催しました。講師には保団連事務局次長寺尾正之氏をお招きしました。 先の通常国会で医療制度改革関連法案が成立しました。これは、「医療費の適正化」と称して2025年度までに 8兆円を削減するというものです。患者負担増、診療報酬の引き下げでそれぞれ1兆円とする短期的に効果が現れる 対策。都道府県に対して「医療費適正化計画」の作成と実施を義務付け、生活習慣病の予防や入院日数短縮と病床 削減など中・長期の対策が計画されています。また、削減効果を確実なものにするため、高齢者医療制度の創設な ど医療保険制度を都道府県単位に切りかえることも行われようとしています。 |
寺尾氏は「地方自治体の役割、あり方が変えられようとしている」として@都道府県に対して、「医療費適正化」 の構造的な対策を義務付け、競わせるA後期高齢者を対象にした市町村広域連合の設立B住民基本健診から、保険者 による「特定健診」へC今後、地方自治体の福祉医療制度へも波及、の四点を挙げました。 また、国の医療保障に対する責任が大きく後退されるなか、地方自治体を競わせ、国民の“自己責任”を強調し、
健康・医療格差の拡大を助長する「国民皆保険」になりかねないとして、「直ちに各協会でやれることから運動を開
始しよう」と訴えました。 |