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崖っぷちの歯科医院経営

協会・保団連が歯科医療危機打開国会内集会を開催

「6・14歯科医療危機打開国会内集会」には、歯科医師、医師、技工士、衛生士ら医療関係者、患者代表など勢199名が参加しました。

「崖っぷちの歯科医院経営」、「追い打ちをかけた昨年4月の診療報酬改定」、「煩雑な文書提供で年間20日はただ働き。診療時間の圧迫だ」と集会の冒頭、基調報告を行った 宇佐美宏保団連歯科代表は、歯科の窮状を国会議員に訴えました。また、「歯科医師の中にはやる気がそがれ将来不安が増大している。技工士は減少し歯科衛生士も雇用が困難だ」 としました。さらに「全身の健康と口腔の健康は密接な関連があり、歯科医療の改善は、国民の健康に不可欠である」と述べました。

集会では、参加した国会議員から「歯科医療がいかに大切かを痛切に感じている。日本の医療費はあまりにも少なく、国の予算を増やすことが大切だ。ともに頑張ろう」など相 次いで激励の挨拶がありました。この日の集会に参加した国会議員は60人(秘書含む)、また、各地歯科医師会から賛同やメッセージが寄せられました。

国会議員の挨拶の後、集会参加者がつぎつぎにマイクを握り、歯科医療改善を求める訴えを行いました。大薮歯科医師(愛知県保険医協会)は、「高齢化社会になり、噛むことの 大切さが認識されるようになった。生活が厳しく、歯科に来ることのできない人がいる。誰もが平等にかかれる医療にしていくべきだ」と述べました。

また、大沢技工士(保険でよい歯科医療を連絡会副会長)は、「『技工哀史』と言われる現状だ。就労の際に労働契約を結ばれるのは二割程度。過当競争で仕事もとれない。歯 科医療改善は切実だ」と述べました。

 

さらに、後藤歯科衛生士は「メンテナンスができなくなった。患者自身のケアでは無理であり、保険から切り捨てるのは問題だ。歯科衛生士がやりがいを持てる保険診療にして ほしい」と述べました。

松永悦子さんは患者の立場から発言し「患者の願いはお金の心配がなく、保険で良質な医療が受けられることだ」と改善を望みました。

また、「党派は関係なく、我々歯科医師に診療しやすい環境をつくってください」「患者が安心して医療を受けられる環境をつくってください」との訴えや「保険はすでに空洞 化して、経営が苦しいから何でもしていいと言うことではない。声を上げて保険でいい医療をめざそう」などの訴えがありました。

集会は最後に「4度のマイナス改定をやめ、保険でよい歯科治療ができるよう歯科診療報酬の引き上げ、改善を行うこと」「患者の負担割合を軽減すること」など8項目の要求を 含む決議を採択して閉会しました。

保団連「医療運動推進ニュース」より