番外編

報告・ゴールデンラジオ

文化放送の『大竹まことのゴールデンラジオ』をご存じですか?私は5月13日にこの番組の「ゴールデンヒストリー」というコーナーで紹介されました。手話に関する内容でした のでご報告いたします。

きっかけは、その2週間前の1本の電話でした。文化放送のデレクターの女性から「手話に関するコーナーを放送したいが、君島さんを紹介してもいいですか?」と突然言われました。 放送日は未定との事でした。お話をしていると聴覚障害者・手話・障害者教育のことを相当調べている方だなぁとすぐに感じました。私が以前、栃木県保険医協会の新聞に連載した『診察 室で役立つ手話』をインターネットで読んでくれていました。40分くらいお話ししたでしょうか?「さてこんな電話だけで番組ができるのかなぁ・・・」と少し不安な気持ちでいました。 その後、「5/13の2時から放送です」とお電話いただいただけで、内容のチェックもなくついに当日を迎えました。

放送を聴いてはじめて、これは私にスポットライトが当てられているのだと気づきました。というのは、以前、新聞に連載した内容は「聴覚障害者が医療を受けるに当たって、医療者側 はどのような配慮が必要か」ということと、「ワンポイント手話(医療に関する手話)」でしたから、それに即した内容だと想像していたからです。

『栃木県壬生町にある君島歯科医院には、時おり聞こえない患者さんがやってくる。院長君島充宣さんは49歳。10年前テレビで手話ニュースを見て講座に通い始めます・・・』というナレー ションに、ぞぞぞっと鳥肌が立ちました(私のことそんなに詳細に言ってどうするんだ!?)。しかし、その後も、軽い気持ちで手話を習い始めたこと、はじめてろう者に手話でレントゲン 映像を見せ病状を説明したところ大変喜んでもらったこと、もっともっと手話が上手くなりたいとサークルに通い続けたことが紹介されました(どうしよう、自分の何倍も立派な人物像に 仕上がっている)。

大竹まことさんのボクトツとしたナレーションとBGMが相まって、どんどん引きこまれて、自分が紹介されていることを忘れそうになりました。

最後に、「自分は何を難しく考えていたのだろう。手話が伝わらなければ、紙に書けばいい。身振り手振りだっていいんです。私に求められていたのは、手話ができる・できないではない。 患者さんの立場に立って治療をすることでした。(中略)ろう者とのコミュニケーション方法だけでなく、手話が君島さんに教えてくれたのは人に対する優しい心です」そう締められていました。

そうだった、私は思い出しました。かつて、手話を知ったときの感動を、それからの挫折を、そしてたくさんの方々からのご支援をいただいて今に至ったことを。

ラジオを聴いてくださった方の反応はすさまじく、「感動した」「知らない一面を見られた」「思わず泣いてしまった」等々、身に余るお声ばかりで、恥ずかしくなるほどでした。こんな 声高に紹介されたからには。来院くださった聴覚障害者の方々に「来て良かった」と言っていただけるよう、精進してまいります。(君島充宣)

全国手話通訳問題研究会栃木支部会報・平成20年度第4号より




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