LESSON12

聴障の医療従事者たち@

「欠格条項」とは、医師法の場合の視覚、聴覚障害のように、法律上の資格を制限している条文のことです。聴覚障害者に関して欠格を定める法律が、総理府の調査で59、 あるグループの調査では、300近くもあるとされていました。厚生労働省の管轄の法律では、歯科医師、看護師、臨床検査技師、薬剤師なども、医師と同様の欠格条項で聴障者に門を閉ざしてきました。

そして先般、長年の欠格条項撤廃運動が実を結び、行政も法律改正に着手した結果、聴覚障害者に厚生労働大臣から薬剤師の免許が手渡されました。「耳が聞こえないものには免許を与えない」などと 「欠格条項」を定めていた薬剤師法が昨年7月に改定されての出来事でした。

しかし、実際に聴覚障害者でありながら医師をしている人もいました。滋賀県大津市の病院に勤める医師・藤田保(ふじたたもつ)さんです。藤田さんは29歳の時に聴覚に障害を持ちました。 音を聞き取るのはできませんが、話すことはできます。診察現場では手話通訳を介して患者の訴えを聞きます。藤田さんが中心となって聴覚障害者専門の外来も作りました

この度、栃木県手話通訳研究会では学習会として藤田保さんをお招きして講演会を開きます。一般参加費は1,000円。手話通訳がつきます。聴覚障害者と私たち医療従事者の両方の側面を持つ藤田さん ならではの講演が聞けると思います。ご都合が良ければご聴講下さい。

注・・・藤田保さんの講演は2003年4月6日、宇都宮市総合福祉センター9階で開催されております。






ワンポイントレッスン
「ろう者、健聴者のどちらですか?」の手話表現
聾
@「聾」・・・耳・口を掌で塞ぐ。
耳が聞こえない、口がきけない
という意味になる。

健聴健聴
AB「健聴」・・・耳から人差指を外に押し出す、口から人差指を押し出す、
耳が聞こえる、口がきけるという意味になる。

どちら?
C「どちら?」・・・左右の人差指を
2〜3回交互に上下させる。また、
顔は尋ねる仕草で軽く横に傾ける
と良い。


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