LESSON17

『聴導犬』を知っていますか?

 「聴導犬」…最近は新聞やテレビでも見聞きするようになった言葉ですが、「盲導犬」と比べると多くの方に 認知されてはいません。聴覚障害者の日常生活を支える聴導犬も、障害者の生活の自立を助ける犬=「補助犬」です。 聴導犬は屋内の8種類の音を知らせるように訓練されます。具体的には「警報音」「ドアベル音」「目覚まし音で起こす」 「赤ちゃん・子供の声」「タイマー音」「沸騰・鍋の煮炊き」「洗濯機の終了やお風呂がいっぱいになったこと」 「ファクシミリの受診」「順番待ちの呼び音」「人を呼んでくる」などです。

 平成14年10月に「身体障害者補助犬法」が制定され、同法に基づいて認定を受けた補助犬は、公共機関や交通機関の 利用が可能になり、同時に受け入れ側には受け入れ義務があります。(スーパーなど不特定多数が利用する民間施設では、 1年間猶予をおいて平成15年10月からの義務)

 このことは、聴覚障害者である聴導犬使用者が自立や社会参加することを保障する法律ができたのですから大変喜ばしい ことです。しかし、聴導犬の育成・受け入れ態勢の整備・一般市民への理解など数々の問題が現実の大きな壁として立ちはだかっています

 アメリカでは「補助犬」をアシスタンス・ドッグと言い、聴導犬の数は約4,500頭が活躍しています。日本では、1981年から 育成が始まりましたが、現在わずか20頭足らずであり、他の先進諸国と比べても理解と普及が遅れています。例えばアメリカでは、 視覚と聴覚の双方に障害を持った重複障害者の補助犬の実用化も既に始まっており、利用者の細かなニーズに対応できています。 日本では、行政が聴導犬の必要性を認識しておらず、支援が全くなされなかったことが立ち遅れの大きな理由ではないでしょうか。 また、一般市民にも存在を理解してもらう必要もあるでしょう。 先生方も今回を機に、「補助犬」を連れた患者にどう対応するかを、スタッフと話し合ってみてはいかがでしょうか。

(NPO法人日本聴導犬協会のホームページにはたくさんの情報が載っています。ぜひご覧下さい)
日本聴導犬協会のホームページはこちら





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