LESSON2

診療時のコミュニケーション方法についてA

前回に引き続き、聴覚障害者(ろう者)とのコミュニケーション方法について説明していきます。

C手話通訳者を介する方法
通訳者が手話通訳してくれますから、先生もろう者も安心していられるコミュニケーション方法です。しかし、先生もろう者もつい通訳者と会話している様な スタンスになりがちです。しっかりろう者を見て話してください。また、通訳者はろう者の理解度に合わせて通訳していますので、会話の進め方はゆっくりめ がよいでしょう。

栃木県では『とちぎ視覚聴覚障害者情報センター』(とちぎ福祉プラザ内・宇都宮市)において、手話通訳者の派遣が行われています。基本的にはろう者か らの申請のみですが、救急時や命に関わる時は、医療機関からの要請も可能です。

栃木県は他県に比べて医療分野での通訳派遣数が少ないと聞きます。ろう者の中には他人に自分の体や病気の事は知られたくないと思っている方います。 この場合、十分理解できずとも自分一人で行くか、家族の都合に合わせて一緒に行ってもらうようです。

医師の立場では、検査結果の説明・治療計画の説明などの時には通訳者を介して正確に情報を伝えたいと思うのではないでしょうか?しかし、ろう者の中に は、初診時のみ通訳者をお願いし、院内のシステムが分かれば、次からは通訳者がいなくても何とかなる、そう考えるろう者も少なくないようです。

今後、ろう者が今以上に通訳者派遣制度を利用し、医療関係者・ろう者共に通訳の必要性・利便性の理解が拡がればよいと思います。

その他に、イラスト・模型など視覚的なものを使うと説明が分かりやすくなります。最近ではパソコンを(筆談の意味で)打ち込みながら説明されている 先生もいらっしゃいます。さらにその内容を印刷して手渡す配慮をなさっている事例もあります。どのような方法であれ、私たちがろう者に対して一方的に話して 終わらせないように配慮をするべきでしょう。






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