LESSON20

災害を考える・・・緊急災害情報はどこから

最近、地震・火災が多発している…というわけではありませんが、宮城沖地震、北海道地震・那須タイヤ工場火災とたて続けに災害に関するニュースを見聞きすると、不安になってきます。

私は今まで、幸いにも震災・火災・大きな事故等に出会ったことがありません。一番身近な経験は、学校・職場・地域での防災訓練となります。しかし、本当に災害に遭った時は、どこから・どのように正確な情報を手に入れればよいのでしょうか? 訓練の時のように容易に情報を得られるとは思えないのです。

こんな出来事がありました。日中、私は音楽のBGMのもと診療室におり、外の情報から隔離されています。町のマスコットが雷だけあって、私もこれまでに雷の被害を数回受けています。落雷による有線放送のブースターやパソコン機器の故障、停電そして、その日は前夜の雷による電話の不通でした(電話以外は通常どおりでした)。 たまたま、私の知人が歯科医院に何度電話をしても通じないのでおかしいと思い、私の携帯に電話をくれて、初めて電話が通じないことを知りました。NTTへ問い合わせたところ、ISDNの被害で、連絡のあった世帯から順々に復旧を行っているとのこと。 電話が通じるのは当たり前、情報が入ってきて当たり前という平和ボケでは、災害に太刀打ちできません。自ら情報を得る努力をしないと、正しい情報が得られないという貴重な経験でした。

さて、今回は、聴覚障害者(ろう者)が緊急災害の情報を得る手段の一部をご紹介したいと思います。

「アイドラゴン」という文字放送受信機があります。聴障者の団体が中心になって、放送局を立ち上げ1998年にCS放送が開始されました。チラシによると「目で聴くテレビ−聴障者自身がキャスターやカメラマンとして番組制作に参加。ニュースや地域の話題からスポーツ、手話学習まで、手話と字幕をつけてさまざまな情報をお届けします」。 また、災害時に地域別の緊急信号を「光るチャイム」でお知らせします。そのため、災害が発生したという情報と、災害の内容をこの機器を通して得られます。現在、身体障害者日常生活用具に指定されていますので、身体障害者手帳を持っているろう者は給付を受けられます。 また、IT機器の普及に伴い、台風情報などはリアルタイムチャット(RTC)を活用して、目で見てわかる情報が工夫されています。

いずれにしても正しい情報をリアルタイムに途切れることなく入手したいという思いはみんな同じです。災害発生時に備えて日頃から助け合う環境づくりに心掛けていきたいものです。






ワンポイントレッスン
「FAX番号を教えて下さい」の手話表現
FAX番号
@「FAX」・・・左手は受話器を持
っている仕草、右手はFAX用紙
が進んでいく仕草を行う

A「番号」・・・人差指・中指・薬指
の3指を立てた両手を、胸前で
左右に開閉しながら2回ほど
ぶつける。

教えるお願い
B「教える」・・・右上前方から自分
を2〜3回人差指で指差しする。
教わるという意味になる。
C「お願い」・・・頼むときの仕草。
掌を左側に向けた状態で右手
の顔の前に立て、前方に倒しな
がら出す。同時に頭を下げる。


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