LESSON21

聴覚障害者に医療講演を行うにあたって

今回は、もし読者の先生が、聴覚障害者(ろう者)に対する医療講演を依頼されたとしたら、何に注意していただきたいかを書きます。これは2003年11月の手話通訳問題 研究会の関東ブロック討論会に栃通研医療班がレポート発表した内容の抜粋・加筆したものです。

@講演の進め方
・健聴者への講演と比べて、だいたい2分の1のスピードで進めてください。そのため内容も半分の分量になります。
・1時間にに1回は休憩をいれましょう。
・対話の要素は多く盛り込む進め方がろう者にはより効果的です。質疑応答も最後にまとめてではなく、要所で盛り込むと良いでしょう。

A手話通訳について
・手話通訳は演者の音声を手話に変換するだけでなく、ろう者に意味がつかめるように言い換えて伝えます。しかし、手話通訳者は医療の専門家ではありませんので専門用語については 、演者が説明を加えながら進めてください。
・同音異義語や意味がつかめない単語は混乱しますので、板書するか、語句の補足説明をしてください。(「降圧剤」を「高圧剤」と間違って通訳した例があります)

B資料の準備
・医療講演については資料があることが望ましいです。その際、漢字や英語にはふり仮名をつけてください。また、資料の内容のイメージが持てるように、イラストや写真を 多く取り入れてください
・資料は何日か前に手話通訳者に渡して、内容を確認してもらいましょう。
・ろう者は資料と手話通訳を同時に見られませんので、当日は最初に資料を読む時間を取ってください。

Cプロジェクターの活用
・キーワードをその都度板書することで、わかりやすさが倍増します。最近ではパワーポイントやレジュメの内容をプロジェクターで映し出す講演が増えていますが、該当箇所を そのまま指し示すことで、板書の時間を短縮できます。

私が見たところ、洒落・駄洒落の乱発は手話通訳者を泣かせます。また、音声に関わる言い回し(例えば、「猫なで声」とはどんな声か?」はニュアンスが伝わりにくいようです。 テレビCMで耳にする台詞を突然言われ、ろう者がキョトンとしていることもありました。

以上の点を踏まえて、多くの先生にろう者への医療講演でご活躍いただきたいと思います。また、診療の際にもお役立ていただければ幸いです。






「新年あけましておめでとうございます。風邪にご注意下さい」
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