LESSON24

岡ちゃんとの再会

今回は聴覚障害者(ろう者)ではなく、視覚障害者(盲人)についてのコラムです。

私は毎年カウンセリングの研修会に参加してきました。夏に鬼怒川温泉で行われる2泊3日の研修会です。岡ちゃんは横浜から参加してきた全盲の男性です。 一昨年偶然同室となり、三日間寝起きを共にしてからの友人です。年齢が近く、また、同じ目的を持っているという共通点はあるものの、晴眼と全盲では生活 全般が異なります。そのため朝起きてから寝るまでが私にとっては驚きの連続でした。盲人を介助することを「ガイドヘルプ」というのですが、一昨年の研修 は私にとって「ガイドヘルプ研修」でもあったわけです。

昨年、岡ちゃんに会えることを楽しみにしていました。また再会できた岡ちゃんに、「この一年どうでしたか?」と聞くと、「ヨーロッパに演奏会を聞きに 行きました」とのこと。「ヨーロッパはさぞ福祉が充実しているのでしょうね」と聞くと、「街中は石畳が多くてとても歩きにくかったです。しかし、地下鉄で 私が立ち止まっていることがあれば、『何か手伝うことはありますか?』と声をかけてくれます。見知らぬ方々のそんな一言が私にはとても心強かったです。」 とのこと。

日本は確かにコンクリートで整備された道に点字ブロックが配置されていますが、盲人にとっては、環境と同じ、いや、それ以上に周りの人々の温かな気持ち が支えになるのだと知りました。今までは、日本人特有の照れで躊躇していた自分を反省して、困っている人には、「何か手伝いすることはありますか?」と声 かけようと決心しました。

今年は点字を習得して、岡ちゃんを驚かせようかと計画しています。






「薬とお酒を一緒に飲んではいけません」
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