LESSON25 聴覚障害者に配慮のある診察室を目指して |
先日、今年4月に開院した都内の耳鼻咽喉科を見学に行きました。院長は聴覚障害者福祉にも詳しく、ご自身も手話通訳士の資格をお持ちです。実践的な工夫を私の歯科医院にも取り入れたいと思い見学してきました。 @受付 待合室の壁には大きなモニターがあり、そこへ診療案内や、病気に関するインフォメーションが流せます。聴覚障害者(ろう者)へ視覚を活用して情報を提供できます。受付には手話通訳士の資格をもつ人を配置しています。これは有資格者の多い都心だから可能なことでしょう。特に耳鼻咽喉科はろう者には身近かなところでしょうから、手話通訳士にとっても技能を活かす場になります。 受付の問診表には「聴覚障害者の方への質問」がありました。(例)「コミュニケーション手段は何ですか? 回答:1.手話2.口話(こうわ)3.筆談4.その他」 A診察 診察室には、診療する先生と治療イスに座った患者が一緒に見られる位置にパソコンのディスプレイが置いてありました。院長がマイクに向かって抑揚を抑えて文節短く区切った話し方をしたところ、このディスプレイに文字が打ち出されました。「音声文字変換システム」というのだそうですが、私がしゃべってみたところ、おかしな変換になってしまいました。栃木弁の強い先生には不向きかもしれませんのでご注意を。 室内には絵をふんだんに使った案内板が要所に飾られており、これは親切だなと思いました。院長が自らパソコンで作ったものだそうです。 B予約 予約制を取り入れている医院が増えてきていますが、この医院も、予約して受診もできます。予約システムは電話の他にファックスやパソコン・携帯からインターネットでHPよりアクセスしても可能です。 高齢者や障害者への配慮を考えてバリアフリーを実践されている医院は多いでしょうが、その中にろう者へのバリアフリーも入れて欲しいと思います。今回見学して分かったのは、ろう者に配慮した診察室は、ろう者以外の人も居心地がいいのではないかということでした。 |
ワンポイントレッスン 「保険証を持ってきてください」の手話表現 | |
@「保険」・・・左手は親指を立て て胸の前に置き、右手は「お金」 (指文字の「メ」に同じ)で左手の 拳を包むように動かして甲側か ら手前に水平に動かす。(人を お金で護る意味) |
A「本」・・・両手の掌をつけ合 わせておき、親指側を左右に 開く。(本を開く様子) |
B「手渡される」・・・掌を上に向 けた右手を前方に置き、手前に 引き寄せる。 |
C「頼む」・・・顔の前に右手の掌 を左側に向けて立て、前方に出 す。同時に頭を軽く下げる。 (お願いする時の頭や手の動き を表している。両手を合わせて やると深刻さや依頼の度合いが 強まる) |
戻る |