2009年 年頭所感

会長・戸村光宏



明けましておめでとうございます。

新しい年を迎え、会員の皆様のご多幸をお祈りします。

米国発の経済破綻が世界中に広まり、日本も今年はどうなるのやら、はなはだ心もとない年明けとなりました。政局より政策といって船出したはずの麻生丸は、 一向に動き出さず、荒波の中ただ沈没を待つのみといったところです。そんななか、厚労省は、レセプトオンライン請求に関してだけは、ぶれずに進み続けています。

協会では、昨年12月5日にオンライン請求義務化に対するアンケートを実施しました。その結果を踏まえて、12月11日に『レセプトオンライン請求義務化への対応』を 『審査指導問題』とともに医科歯科合同の会員懇談会を行いました。特に、歯科会員の先生方のオンライン請求に対する不安が強く感じられる懇談会でした。

レセプト請求がオンラインに制限されることに対しては、保険医協会として全く認めることができません。協会は、厚労省に対してオンライン請求『義務化』に反対する 強い意思表示を本年も引き続き行っていきます。

このオンライン請求が、いったい誰のためになされるのか、そのために負担を強いられるのは誰なのか、その負担は妥当なものなのか、一つ一つ、明らかにして私たち 医療機関は対処していかなくてはなりません。そのためにはオンラインの仕組みをおおざっぱに頭に入れておく必要があります。

紙レセプトを印字するだけのレセコンと、フロッピーやCDにレセプトデータをコピーできるレセコンはご存知のように違います。電算化されたレセ電である必要がある のです。従来のレセコンを業者によっては無料で、あるいは20万から30万円くらいでレセ電仕様にすることが可能です。しかし、年数のたったレセコンでは電算化は不可能です。 12月のアンケートでは、不明を除いて一割以上のレセコンが電算化不可能という回答でした。この場合は、200万から300万の(医科の場合は百万円位ですむオルカがあります) 新しいレセコンを手に入れる必要があるのです。

さて、レセコンがレセ電にすることができても、それだけではだめです。他にオンライン請求に用いる、新しいパソコンと、基金と結ぶ回線が必要になります。

新しいパソコンは、オンライン専用でなくてはいけません。それに必要なソフト以外はアンインストールすることが望ましいとされています。

今のところ、回線は光やADSLによるヴァーチャルプライベートネットワークかISDL、あるいはインターネットプロトコールセキュリティ+IKEサービス業者を介する インターネットに限定されています。何のことやらわからない方はNTT東日本などに問い合わせてみてください。私もよくわかりません。

ところで、レセコンから回線につながったパソコンに、どうやってレセプトデータを持っていくのでしょうか。

まず、レセ電からフロッピーなどの電子媒体へレセプト情報をコピーします。それから、そのフロッピーをパソコンへ挿入して、それで回線を通じて基金なり国保連合会へ送信 するのです。

ただそれだけなのです。

だったら、今までどおり、フロッピーなど電子媒体でのレセプト請求でも同じでしょう。人が持っていくか、オンラインで持っていくかの違いでしかありません。回線で送るレセ プトデータは、フロッピーに入っているデータそのものなのですから。基金や連合会で、自分のコンピュータにデータをコピーすれば良いだけの話です。それを「オンライン請求で ないとだめ」という厚労省はいったい何を考えているのでしょうかね。

電子データ化されたレセプトは疾病の治療分析にそれなりに役立つのかもしれません。しかし、健康診断の結果との突合による過剰な健康管理や、保険会社などによる不正な利用 など治療を受ける側にとって不都合なことは多々あります。このようなシステムを医療機関にだけ負担を押し付けて構築する意味など無いといわざるを得ません。

他にも、後期高齢者医療制度、審査、指導、監査問題、混合診療問題、消費税の引き上げ反対・医療へのゼロ税率適用、社会保障カード導入撤回等々、協会が取り組むべき問題は 様々あります。会員の皆様のご理解・ご協力をいただきながら、運動を進めてまいりたいと思います。

本年も宜しくお願いいたします

栃木保険医新聞2009年新年号・年頭所感