夏季セミナーに参加して

宇都宮市・加藤礼子

右から3番目が加藤礼子先生


まだ梅雨も明けぬ7月10日、11日、場所は東京『虎の門パストラル』。ロンドンの同時多発テロの直後だった事もあり、小心者の筆者としては大都会「東京」入りには少々不安もあったが、 当日は天候にも恵まれ、傘をさすこともなく気持ちよく会場へ向った。案内の周辺地図を見ていて、アメリカ大使館やスペイン大使館が近所にあることを知り多少複雑な思いもしたが、 会場入りした瞬間から、そこに充満する静かな熱気のようなものにすべてかき消されてしまった。

副会長の満川先生は初日から参加されておられたが、二日目午前中は特別講座の会場にそれぞれ向う予定で、お会いするのは昼休みということになっていた。ちょうど三講座が開催されており、 満川先生と事務局、筆者とで分担。朝から充実したスケジュールだ。

その昼休みには満川先生からお誘いを受け、女性部会の集まりに出席させて頂いた。各協会のベテランの先生方に事務局スタッフが若手としての活気を添え、15名ほどの華やいだ席となった。 地域色溢れる自己紹介で始まる和やかなスタートであったが、ざっくばらんに歓談が進むにつれて、各都道府県における課題や、広く国際的な視野での意見も聞かれた。これからに向けての前向きな発言が多く、 非常に心強く感じた。また、保団連の運動の中で外への発信も大切だが、各会員そして確実に増えている女性医師に関しての対策の必要性を痛感した事を添えておく。

そんなこんなで昼休みもあっという間に過ぎ、午後には今回セミナーのハイライトでもあるシンポジウムにぎりぎりで飛び込んだ。『虎の門パストラル』の大会場は満席状態、一般市民の参加もあり 総勢約370名もの人々で溢れ、会場は午前にも増して大きな熱気で包まれていた。理事長の戸村先生も合流し、事務局が確保しておいてくれた三人席に滑り込むと、そこは会場のほぼど真ん中。ふと正面を見ると、 4月に本県までお越し頂いた保団連副会長の宇佐美宏先生からまっすぐ前の席であった。思わず会釈してしまった次第である。

さて、各講演において講師をお勤め頂いた五人の先生方が一同に介され「混合診療解禁」という大問題をテーマに鋭い発言が飛び交った。各方面からの考察、冷静な分析に基づいた提言、力説される先生方の パワーは370人をも凌ぐかのよう。最後に時間を惜しむかのように質疑応答が続き、終始充実したシンポジウムであった。

閉会後の先生方には疲労した様子よりも、気力みなぎる表情を多く見かけたような気がする。全国に広がる会員の先生方の熱意に触れ、筆者も「混合診療解禁、断固阻止!」 に向けての決意新たに会場を後にした。

栃木保険医新聞2005年7月号・投稿