明けましておめでとうございます。 旧年中は、当協会に一方ならぬご協力をいただき、有難うございました。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 今年は、2年にー度の診療報酬改定があり、4月から実施されますが、 時を同じくして消費税率が8パーセントになることは既定の事実です。 当保険医協会では、従来から増税どころか消費税そのものにも反対してきました。 消費税が、保険医療機関にどのように影響するのかは、すでに十分におわかりのことと思いますが、 あえて述べてみます。 医薬品を購入する際、医療機関は消費税を支払います。しかし、その医薬品に相当する診療報酬には消費税がかかりませんので、医療機関が支払った消費税は医療機関の自己負担ということになります。 直接に診療報酬で点数化されていませんが、医療機関を運営する上でのさまざまな設備には、 もちろん消費税がかかります。おわかりと思いますが、消費税率が上がれば上がるほど、 医療機関の経営は圧迫されるというわけです。 厚労省は3パーセントのときも5パーセントのときも「それに見合うだけの点数をアップしています」というのですが、医薬品の点数がアップするわけではないので 、院内処方の場合は使用した薬品の金額が大きければ大きいだけ影響も大きくなります。 似た事案で、輸出品は消費税が免除されていることがあります。 輸出にかかわる企業は、製品を仕入れ時に消費税を支払いますが、 輸出先からは消費税を取ることができません。しかし、ここからが医療機関とは違って、 仕入れ時に支払った消費税は国から還付されます。 「保険診療にかかわる消費税はとりません」という国民に口当たりのいい政策に惑わされて、深く検討された様子もなく受け入れてしまった『つけ』が今、まわってきたのでしょう。 消費税がこのまま続くなら、輸出企業に対する措置と同様に、医療機関も『戻し税』を求める べきなのではないかと、思います。 黙っていては何の解決にもなりませんし、何も知らない国民(患者)の理解も得られません。積極的に声を上げていきましょう。10パーセントになったときでは遅すぎます。 どうも、我々(人類?)は、直接的影響がないと、あまり先のことを切実に考えることが 苦手のようです。 国の借金はとうとう対GDP比200パーセントを超える事態になっていますが、 誰一人痛痒を感じていません。だから真剣に借金を減らそうとは思いません。 「借金は子孫に任そう。その子孫もまた、その先の子孫に任そう。そのうち国の形態が変わって借金がチャラになるんじゃない」という状況でしょうか。 真剣に借金を減らそうとすると、痛みを感じざるを得ません。その一例が消費税増税ですがね。 この借金問題と同じように、我々が先送りしている問題に、エネルギー問題があります。 「放射性廃棄物の問題も、廃炉の問題も、化石燃料の問題も子孫に任そう。その子孫もまた、その先の子孫に任そう。そのうち人類の文明の形態が変わって『たき火』かなんかで暖をとる生活になるんじゃない」という認識でしょうか。 まあ、ぬるま湯からはなかなか出られませんからね。 新年には相応しからぬ文章になってしまいましたが、午は丁度お昼の時刻にあたるそうです。午後の日差しが明るいことを祈念してこの文を終わりにいたします。 |
栃木保険医新聞2014年新年号・新年のご挨拶 |