10月5日、放射性物質8000Bq/sを超える指定廃棄物の最終処分場候補地にあがった栃木県塩谷町の山中を見学しました。 候補地は未舗装の細い林道を数キロ進んだ沢沿いにあり、たどり着くのに苦労するような場所でした。 運搬用の道を作るだけでも、土地の買収や工事などに膨大な手間暇がかかるのではないかと思いました。 また、処分場ができたとしても、土砂災害や冬場の雪のために、指定廃棄物の運搬に支障が出るのではないかと危惧するような場所です。 ところで、福島県の原発事故の直後、栃木県の北部から西部にかけて、放射性物質が比較的高濃度に飛散しました。 山間部は除染されていないので、候補地周辺の汚染状態がどのような状態なのか、放射線測定器を持参して調べてみました。 塩谷町役場で測定したところ、空間線量は0.70μSv/h程度でしたが、 最終処分場候補地の南側数キロに位置する東古屋というダム湖付近では0.1μSv/hを超え、 候補地のある山中に入ると0.15以上を示し始めました。処分場候補地で計ってみると、数値は0.25〜0.30まで上昇しました。 これは、国際的な平常時の基準値0.23を超える数値であり、居住には適さない場所と思われました。 最終処分場の安全性について、環境省は敷地外での年間の追加被ばくを1mSv以下にするとしていますが、 1年間居続ければ2mSv程度の被ばくが予想されるような土地に建設すること自体が問題ではないでしょうか。 栃木県内の国有地に1カ所の最終処分場を作ろうとしたら、いつまでも決まらないと思います。 問題が長引けば、困るのは指定廃棄物の仮保管場所なので、大量に保管している数カ所に最終処分場を作るのが賢明ではないかと、私は考えます。 |
栃木保険医新聞2014年10月号・投稿 |