2015年 年頭所感

会長・長尾月夫



あけましておめでとうございます。2015年(平成27年)新年を迎え、今後ともますます医科・歯科医療に関わる諸問題に対して実践的に保険医協会会員の皆様のご要望を汲みしながら、またご協力を頂きながら積極的に取り組んでいきたいと思っております。よろしくお願いします。

世界状況の中で日本のあるべき姿を考えていかないと日本だけの我々の医療問題を考えても通用しなくなっている状況になっていると思います。 グローバル化され経済的には協力されながらもクリミア半島に代表される世界的な紛争やイスラム国やアルカイダなどに代表されるテロが起こっています。歴史的問題・宗教問題もありますが、中産階級優位な社会でないのは経済的貧困者の存在、貧困や社会に追い詰められた状況が解消されないためかも知れません。ただ独裁的で余りに利己的なものがありますと、歴史的に見ても今後ますます人間に不幸をもたらす可能性はあります。世界的地域的貧富の格差、各国首脳の価値観の相違、言い過ぎかも知れませんが、エゴイズム的な施策がされている場合もあります。

我々人間そのものが欲望、欲求を元に生きていることに起因するかもしれません。各国民、人間は元々運命的な死はありますが、人間としての当たり前の生活をし、世代を受け継ぎながら笑顔のいっぱいあふれる生活を望んでいます。日本では日本国憲法がありある意味では、その憲法に守られ、解釈の差異からその実践においては不十分ではありますが、世界的にも平和で安全な国とされています。

そんな中で我々の医療があります。日本国内では少子高齢化社会、既婚女性の職業的冷遇、若年者のアルバイト雇用、若年者の価値観の変容・崩壊、物質社会・経済的競争化社会、所得の格差、法律の抜け穴の存在と改正の先送り、現場を知らない施策、歴史を知らない世代の増加など様々な問題に医師歯科医師の立場から日常臨床の中で臨床を離れた限られた時間の中で積極的に対処しなければなりません。

なぜなら私たちの理念は、医療者として、相互扶助に基づく皆保険を維持し、年齢・性別・国籍を問わず、刻々進歩する医学にも対応しながら質の高い医療を提供し、患者さんの権利と立場を尊重しなければならないからだと思います。PM2.5や核廃棄物などの環境問題についても産業医、臨床医師歯科医師として、医学的にみて現況を把握しながら是々非々の立場で対処しなければなりません。

こういった様々な諸問題について専門家や皆様の様々なご意見を真摯に拝聴する機会を設けながら、栃木保険医協会として、入会してて良かったと言えるほっとする協会にしたいと思っています。 各市町村レベルの情報伝達体制、医師歯科医師の連携の勉強会、医療安全、医療をしていくための支援体制の強化、Q&Aでの気軽な相談窓口、各会員同士の親睦を兼ねたレクレーションの充実などを行って笑顔が見える協会にしていきたいと思います。

栃木保険医新聞2015年新年号・新年のご挨拶