2016年 年頭所感

会長・長尾月夫



あけましておめでとうございます。

昨年は、様々な分野において一方ならぬお力添えをいただき、誠に有り難く厚く御礼申し上げます。

私ども理事、事務局は、会員の皆様とともに、世の中の情報を速やかに察知し、保険医としてより良い医療が提供できる環境を整えて参りたいと思っております。保険医の抱える問題は今山積みです。今年も新たな気持ちでおりますので、会員の皆様には昨年同様のご協力をよろしくお願い致します。

今年は、2年に1度の診療報酬改定の年にあたりますので、診療報酬改定に対する講習会を開催いたします。また、医療安全管理講習会、新規医科歯科各開業医講習会、漢方講習会、歯科学習会などの企画や、署名活動及び陳情など、様々な活動をしていきたいと思っております。

これらの活動は、保険医新聞のみならず、ホームページでも情報発信しておりますので是非ご覧下さい。将来的には研究会・勉強会等の情報なども随時ホームページ上で発信し、セミナーに参加しにくい遠方の方とも、スムーズに情報共有できたらと考えております。

会員の皆様は、かかりつけ医だけでなく、それぞれの科の専門医の方も多くおられます。 より充実させるために、会員の皆様にも、是非、幅広い知識やご意見を提供していただき、臨床的な問題、医療に関わる諸問題なども保険医新聞、アンケート上で意見交換できれば、より充実したものになると考えます。

我々の大事な使命の一つに、国民皆保険を維持することがあります。財政難といわれる昨今、高齢化の進展に伴う医療費の増加が止まらず、その抑制が叫ばれています。若者世代に負担を押しつけず、予算という縛りがある中で、質の高い医療を提供できる環境を整えるよう、我々も常に考えていかなければならないと思っております。

高齢者の割合が急増している分、従来のままでは、医療費は増え続け、それにより現役世代に過重な負担がかかり、ますます状況が深刻化していきます。これまで、どのようにして財源を確保するかということに重点を置き、様々な議論がなされてきましたが、近年、高齢者が元気に生活できるということに関心が高まっています。すなわち、高齢者の健康寿命を延ばすということが重要視されているのです。今まで以上に予防医学が大切になるでしょう。

明らかに不健康な生活習慣を続ける方が、医療保険を使うことにより他の加入者に対し著しく不利益になる場合、今後受診加療に対し拘束力が発せられるかもしれません。そうならないように、私たちは患者さん周囲の企業や家庭の方々と協力してアプローチをする必要がでてくるのではないかと思っています。皆保険を維持し破綻させないように、このような難しい問題に対しても、会員の皆様のご意見を聞き、協会として具体的に発信していくために、真剣に考える場を提供していきたいと思っています。

親睦のためにも、マラソン、ハイキングなども昨年同様企画していきますので、会員の皆様はもちろん従業員の方も奮ってご参加ください。

私自身勤務医の時代には、上司、部下と医療について夜通し熱く語り合ったこともありますが、開業するとなかなかそういう機会も少なくなります。勤務医の方々も忙しく機会が減っているのではないでしょうか。インターネットで簡単に交流できる時代ではありますが、直接会って話し合い悩みを解決することも大切と感じますので、企画していきたいと考えます。

医療に対するニーズの多様性への対応、不登校・虐待などの小児に関わる問題、老老介護など高齢者に関わる問題、また沖縄基地問題など全国の保険医協会の抱える問題には多種多様なものが山積しています。これらの諸問題に対し、医療の観点から、会員相互に意見を交わし、出来るものから具体的に提案、行動していきたいと思います。

今年も昨年同様に新入会員をご紹介頂き、熱く語り合う仲間を増やしていきましょう。 本年も会員皆々様の、ご指導ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。

栃木保険医新聞2016年新年号・新年のご挨拶