東北夏祭りクルーズ

大根田紳(宇都宮市)



2016年、8月2日(火)、大型客船“日本丸”は、東京湾晴海埠顧客船ターミナル2階から出発した。

時は午後4時、銅羅の音高く響かせた。まるでボクシングの試合でならすゴングだ。数百本の七色のテープが、湾と船の間に渡された。私達乗客は、既に1時間近く前に乗船していて、30分前には例の通り、避難訓練を済ませていた。8月3日は終日航海だった。

8月4日(木)、午前8時、秋田港入港。歓迎セレモニーが開催された。歌と踊りの共演だった。当方は、秋田の名所観光でバスに乗り込むために、船外に出ていたので、その様子がよくわかった。船の中からでは、4階のデッキから観覧できた。当日(4日)午後5時半頃から、順次バスに乗り込み秋田市内のホテル(バス発着所)へ、そこから誘導されて約15分で招致席へ。この間予想をこえた待ち時間と混雑のために、疲れさせられた。

国重要無形民俗文化財の秋田竿頭まつりは、4日の午後7時から午後8時半まで、盛大に開催された。

その竿燈は有名なので皆さん御存じのことと思うが、最初は掌、次は肩、額そして腰と身体の場所を変えて、高さ9メートルから12メートル、重さは約30キログラムから50キログラムの46個の提灯をつけたのを回すのである。その素晴らしさは筆舌のよくするところではない。ここに、「竿燈伝」なるものを示そう。

「大いなる灯龍二十、三十乃至四十、五十に至るほど大竿に挙げ、未曽有の壮観也」

竿燈の発祥は宝暦年間(1751〜63)と言われているが、これについての詳細は省く。8月5日(金)、午前8時半青森湾入港。しかし、前日の疲れのためか、青森湾岸壁のセレモニーを、デッキから眺めることもできなかった。5日午後5時10分、岩壁のバスに乗り込んだ。バスは途中までで、交通規制があり途中から桟敷席まで徒歩15分、実は、五所川原立佞武多観光のために、延々約1時間かけて津軽自動車道を日本海方向に走ったのだった。

巨大ネブタ復活『立佞武多』

高さ23メートル、重さ19トンというから、それを開いただけで威容がどの程度かわかる。今はカラー写真で、そっくりそのまま写しとれるが、数基の豪華さは実際に見てみてのことで、その前後の太鼓や笛の響き、他に数基の低目のねぶたの出現もあり、華やかさが増幅された。五所川原人と言われた先人たちの、墓地と気概を示したものだとのことである。

5日の午後7時から8時半までの興行だったが、覚めやらぬ興奮で感動おく能わずの心境で帰船した。それは午後9時50分だった。

翌6日は、午前7時青森湾出港。終日航海で翌7日、疑義6時東京湾入港。

栃木保険医新聞2016年9月号