2017年 年頭所感

会長・長尾月夫



今よりも、楽しい仲間、楽しい仕事、楽しい組織にし、
協会というチームで難関を乗り越えていきましょう!


あけましておめでとうございます。

昨年は大変なお力添えをいただき、誠に有難く深く御礼申し上げます。 昨年はまた、大変激動の一年でありました。

老々介護など介護問題、違法薬物、待機児童の問題など、枚挙に暇がありません。生活が便利になっていくのに伴い地球温暖化もどんどんと進み、「異常気象」という言葉を耳にする機会も多かったように思います。ここのところの寒さは本当に身にしみますが、前の冬もここまでの寒さであっただろうかと疑ってしまいたくなるほどです。痛ましい自然災害も発生しました。世界情勢も大きく動き、イギリスのEU離脱や移民問題、アメリカ大統領選挙は記憶に新しいですね。

私も社会の一員としてこういった問題の早期解決を願うばかりですが、どうしたら解決できるのか、皆が幸せになれるのか、誰にもわからないのが本当にもどかしいところです。もちろん、保険医協会の一員といたしましては、どうか日本のよりよい医療や福祉につながる適切な判断が下されればなといつも期待しています。

さて、今年の我々保険医協会の活動に際してですが、昨年同様世の中の情勢を速やかに察知し、より良い医療を提供できる環境を整えて参りたいと思っております。医療安全管理講習会、医科歯科合同講習会、歯科学習会、漢方学習会、医療スタッフ学習会、新規医科歯科各開業医講習会などの企画や署名活動等、引き続き行っていきます。

 

また、これら企画についての詳細な情報は保険医新聞、ホームページでも情報発信しておりますので、会員皆さまにもぜひご一読いただけましたら幸いです。また、今後は研究会や講習会についても、当協会のホームページ上でいつでも閲覧出来るように構築し情報提供できればと考えております。

我々の大切な使命は、第一に患者さんの生き方考え方に寄り添い、尊厳を守るということ。もちろん患者自身のみならず、関わった多くの人にとってベストな選択を考えていかねばなりません。そしてその中で、医療・福祉問題にも目を向けながら、質の高い医療を適切に広く平等に提供することと考えております。

少し私自身の話をさせていただきますが、私は写真を撮ることが好きで、休みの日など少し遠出をしてカメラを片手にぶらぶらと一日を過ごすときもあります。娘には「いつも同じような写真ばかりだ」と言われてしまうのですが、私にとってはその一枚ごとが違った表情をみせてくれているように思われて、とても面白いのです。同じように見えてもそれぞれの写真の背景にはさまざまな物語が隠れていて、その瞬間を切り取って自分のものにできるような、宝物を見つけたような気持ちになります。これも同じことで、人にとっての価値というものは感じ方見え方が全く違っていて、医療現場においても、人それぞれの価値観の違い、そこに本当に気付けるかどうかが、とても大切だと思うのです。

偉そうに語ってしまいましたが、私自身気付けていないと思う場面は多々ありますし、気付けていないことばかりかもしれません。でもコミュニケーションをとろうとする気持ちがあれば、少しずつ近づいていけると信じて努力したいと思っています。

期待でいっぱいの年の初めから、問題点を挙げ連ねてしまっては気分が暗くなるばかりですのでやめておきますが、ご存じのように、保険医の抱える問題は山積みです。会長として会員皆さまが各々の良さを生かし楽しく仕事をできる環境づくりを目指し、多くの問題を少しでも解決に近づけていけたらと考えております。

会員の皆様は、かかりつけ医のみならず、専門医として第一線で活躍されている方も多くおられます。保険医協会の活動をより充実させるために、ぜひ会員の皆さまから幅広い知識やご意見をご提供いただき、臨床的な疑問や医療に関わる諸問題など、活発な意見交換ができたらと思っております。ご多忙の折に恐縮ですが、どうかご協力のほどよろしくお願いいたします。

私自身、もうかかりつけ医として長くなりますが、気持ちは少年、相田みつをさんの「一生勉強、一生青春」を心に掲げ日々を過ごしておりますので、皆さまからの新しい知識をいただけたらそれはとても心躍ることです。願わくは新しい仲間も多く迎え、チーム一丸となって今年一年も乗り越えていきましょう!本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

本年が皆さまにとって幸多き年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

栃木保険医新聞2017年新年号・新年のご挨拶