2019年 年頭所感

会長・長尾月夫



国民医療の向上目指し
熱く語り合える仲間増やして


あけましておめでとうございます。

昨年は、会員の多くの方々のお力添えを頂き、本協会は創立40周年を迎えることができました。 誠に有難く、心より感謝申し挙げます。

さて、昨年度の振り返りをさせていただきますが、残念ながら日本の少子高齢化は年々進行の一途を辿っております。 これまでは、どのようにして財源を確保するかということに重点を置き、様々な議論がなされてきましたが、 昨年度にあたっては、高齢者に対する概念の変容があったように思います。 すなわち、高齢者を年齢のみで判断するのではなく、健康寿命を重視するようになったということです。 高齢者が労働力として社会活動に参加することは、社会全体にとっての利益のみならず、 高齢者自身にとっても健康寿命を伸ばすことにつながります。 高齢者が社会の一員として、元気に活動を続けていける手助けができたらと考えております。 そのために、私たちに期待されている大切な使命の一つに、国民皆保険を維持することが挙げられます。

高齢化に伴う医療費の増加や高額収載新規薬剤により財政難と言われる昨今、 その対策としてジェネリック医薬品の推奨がなされていますが、若者世代にとって負担にならないように、 かつ必要な、適切な医療を行っていけるよう、我々医療者がリーダーシップを取っていかなければなりません。 よく、医療はサイエンスとアートだと表現されますが、こういった働きはアート的側面なのだろうと私は思っています。 医療経済について例をあげましたが、教育の場においては不登校や虐待、高齢化が進んでいることによる老老介護という現状、 その他貧困や原発を含むエネルギー供給における問題など、日本社会が解決すべき問題は枚挙に暇がありません。

壮大な話をしてしまいましたが、これら諸問題に対し、私たちは医療な観点から介入していきたい。 私ども理事、事務局は、会員の皆様とともに、世の中の情報を速やかに察知し、 保険医としてより良い医療が提供できる環境を整えるべく、邁進して参りたいと思っております。 会員の皆様には、私のような診療所・クリニックの先生だけでなく、大学病院などの機関で最先端の医療に携わられている 専門医の先生も多くおられます。活動環境が異なることは見え方も変わるでしょう。本協会の活動をより充実させるため、 保険医協会新聞やアンケートを活用いただき、是非、幅広い知識やご意見を提供いただけたと考えております。 直接意見交換のできる場として、医科歯科勉強会や医療安全管理講習会、新規医科歯科各開業医講習会、漢方講習会、 歯科学習会などの開催、署名活動及び陳情、他の保険医協会との共同企画など、様々な活動をしていきたいと 思っております。

また、親睦を深めるべく、マラソンやハイキングなどの活動も昨年に引き続き企画していきますので、 会員の皆様はもちろん、非会員の方にもお声かけをいただき、是非賑やかな会にできたらと 私自身とても楽しみにしております。これらの活動は、保険医新聞のみならず、 ホームページ上でも随時発信しておりますので、是非目を向けていただけたらと存じます。 将来的には研究会・勉強会等の内容をホームページ上にまとめ、セミナーに参加できない遠方の会員みなさまとも 共有をできればと考えております。

以上、長くなりましたが、今年もまた、この協会が大きな飛躍を遂げられるよう、 会員の皆様には昨年同様のご指導ご鞭撻を賜りたくお願い申し上げます。国民医療の向上を目指すという理念をもとに、 熱く語り合える仲間を増やしていけたらと思っています。

最期に、会員皆々様のますますのご健勝とご健康をお祈りして、新年の挨拶とさせていただきます。

栃木保険医新聞2019年新年号・新年のご挨拶