会員とともに情勢を速やかに察知し 保険医としてより良い医療が提供できる環境を |
あけましておめでとうございます。 昨年の災害に際し、被災された方々には心からお見舞い申し上げるとともに、復興に尽力されている皆さまの安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。 栃木県保険医協会といたしましては、多くの会員の皆さまのお力添えをいただき、こうしてまた新年を迎えることができましたこと、心より感謝申し上げます。 今回の台風も然りですが、災害は予知しきれないものであることを再認識し、医療従事者として、安全な医療環境の整備に努めてまいりたい所存でございます。 昨年は元号が「令和」に変わり、昭和生まれの私は2つの時代を超えてしまったのかと愕然としている次第です。さて、この令和という時代を考えていくにあたり、 大きなキーになるのは子どもと、そして高齢者であるといわれております。 スマートフォンの普及により生活が便利になり、その効果は目を見張るものがあります。しかしその影響で子どもたちのスマホ依存、ゲーム依存や視力低下、 考える力の低下が社会問題化しているといわれます。子どもが巻き込まれる悲しい事件が後を絶ちませんから、連絡手段や位置情報の共有のため、安全のために子どもに スマートフォンを持たせたくもなります。インターネット環境に子どもを触れさせないのは無理な時代ですから、改めて難しい問題です。そんな中で、医療者として私たちに できることは、診療の際に子どもたちを温かく見守り、早い段階で予防医療の教育をし、大切に育んでいくことと思います。 高齢者は、健康寿命が重視されています。労働力として高齢者が社会活動に参加することは、社会全体にとっての利益のみならず、筋力の維持や、コミュニケーションを 介して認知症予防と、高齢者自身にとっても生き甲斐と健康寿命を伸ばすことにつながります。高齢者ドライバーによる痛ましい交通事故が多く起こりましたが、年齢で一律に 行動制限をかけて高齢者の意欲的な活動を抑制する事で全て解決とはいかず難しい問題です。我々は、個々の能力を見極め客観的に判断する難しい役割を負っているのです。 経済成長は常に目指していくべきところではありますが、その裏で、エネルギー供給における問題、高齢化による老老介護という現状、貧困、いじめや不登校、虐待などの 問題に目を向けることを忘れてはいけません。医療費の破綻や財政難が叫ばれており、その一策としてジェネリック医薬品の推奨がなされていますが、あくまで科学的な根拠に 基づいた安全性が確立された薬を選択しなければなりません。現場に即した適切な医療を行っていけるよう、我々医療者がリーダーシップを取っていく必要があるでしょう。 日本社会が解決すべき問題は枚挙に暇がありません。 また、今年は診療報酬改定年度でもあります。更なる医療現場に役立つ情報発信をさせて頂きたいと思っております。私ども理事、事務局には、会員の皆さまとともに、 世の中の情報を速やかに察知し、保険医としてより良い医療が提供できる環境を整える役割があります。 栃木県保険医協会は、私のような診療所の医師だけでなく、大学病院などの機関で最先端の医療に携わられている多くの専門医の先生で成り立っています。直接意見交換の できる場として、各種講習会や他の保険医協会との共同企画など行ってまいりますので、活動拠点が異なるそれぞれの医師の知識やご意見を賜りたくお願い申し上げます。 また、マラソンやハイキングなどの活動も昨年に引き続き企画していきますので、会員の皆さまはもちろん、非会員の方にもお声かけをいただき、是非賑やかな会にできたら と楽しみにしております。 新入会員も随時募集しておりますので、国民医療の向上を目指すという理念のもと、熱く語り合える仲間を増やしていけたらと楽しみにしております。 今年もまた、栃木県保険医協会が大きな飛躍を遂げられるよう、会員の皆さまには昨年同様のご指導ご鞭撻を賜りたくお願い申し上げます。皆さまのますますのご健勝とご健康を お祈りして、新年の挨拶とさせていただきます。 |
栃木保険医新聞2020年新年号・新年のご挨拶 |