トランジスタ の アクティブ バイアス 法 |
ActBsNote |
あらまし UHF 帯 や マイクロ波 帯 では、トランジスタ の バイアス回路 に しば
しば アクティブ バイアス という方法が用いられる。
ここでは アクティブ バイアス の 有用性 と、その 動作原理 を 簡単に記す。
■ 1. 固定 バイアス 法
図-1. 固定 バイアス の一例 |
図-1 には バイポーラ トランジスタ 固定 バイアス回路の 一例 を示す。
さて、通常の トランジスタ アンプ では エミッタ抵抗 Re を 用いることによって フィードバック がかかり、周波数特性や 入出力インピーダンスの 安定性
を 増してくれる。
しかしながら、UHF 帯 や マイクロ波 帯 での トランジスタ アンプ では、エミッタ抵抗 Re を 用いることによって 逆に 寄生インダクタンス の増加に
より ゲインの低下を招いてしまう。
それで エミッタ抵抗 Re を無くして ゲインを確保しようとすると、従来の 固定バイアス法 では エミッタ抵抗 Re を無くすと 回路の安定性が悪く、安定
係数が低くなるという ジレンマ が生じてしまう。
トランジスタ の 安定性は、I CBO (コレクタしゃ断電流) に起因するもので、固定バイアス法 で
の I CBO の増減は h FE 倍された コレクタ電流の増減として 出力に現れてしまう。
■ 2. アクティブ バイアス 法
図-2. アクティブ バイアス の構成図 |
図-2 に 記す 破線で囲った部分を アクティブ バイアス回路 と呼ぶ。
ここで、Q2 の ベース電圧 Vb2 は Vb2 = Vcc・R1/(R1+R2) である。
そして、Q2 の エミッタ電圧 Va は Va = Vb2 + 0.6V となる。
ゆえに、Ra を流れる電流、すなわち Q1 の Ic + Ib は Ic + Ib = (+Vcc - (Vb2 + 0.6)) / Ra で 定電流 となる。
すなわち、アクティブ バイアス 法 では トランジスタ Q1 の Ic + Ib が 一定になるため I CBO の
増減で コレクタ電流が 増減しようとしても、その分 Ib が増減して コントロールし 出力にあらわれず 安定した動作を もたらすことになる。
なお、Q2 の Vbe の温度変動による Ic + Ib の変化がまでが 問題になるのであれば Vbe の 温度補正を行う、温度
補正用の ダイオード を Q2 ベース バイアス回路に挿入することができる。
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