もうひとつの歯科医療・国際医療ボランティア活動

那須塩原市・関口敬人

この活動で得た多くの経験


4.もう一つの歯科医療

私の医院では「一生自分の歯で」をモットーに、歯の大切さを患者さんに訴えています。歯を失うことで起きる様々な人体への影響を医学的見地からみた説明を行います。 しかし時に別の方向からもアプローチをします。それはこの活動で得た経験です。

私はフィリピンに最初に訪れた時、当時42歳のシェービィさんという女性の歯を一度に3本抜歯をしました。もちろん日本では全て残せる歯です。私はあのとき感じた悲鳴 にも似た抜歯の感触と切なさを今でも忘れることができません。

また10歳にして永久歯4本も抜かなければならない子どもの話や、治療をしてやりたくても薬液や薬が足りない為に行えず、それを理解できずにずっと待っている子ども達 の話などを、診療中に話します。そうすることで、より自分の歯に関心を持ち、1本の歯の大切さを訴えられるからです。

そしてこの活動に患者さん自信が興味を持ち、たくさんの物資を協力してくれ、さらにこのボランティアの輪を広げてくれます。私の医院にはホワイトニングやインプラン ト等のポスターはありません。しかし壁一面にこの活動の写真や説明が貼ってあり、患者さんも自分たちが協力した物資を高々と掲げている子ども達を見て、本当に喜んでくれ ています。

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